2025年12月28日
Жена не выходила из своих комнат, мужа третий день не было дома.
妻は自分の部屋から出て来ず、夫は丸2日も家を空けていました。
山崎豊子の『大地の子』を読了しました。いつの時代も権力者たちの身勝手なふるまいによって、苦しむのは弱い立場の人民たち。自らの境遇に耐え忍びながら、人間らしい幸福をつかもうとする登場人物たちの姿に心を打たれました。
作品内で苦難に満ちた主人公の人生に手を差し伸べるのは、民族や政治思想を超えた人間としての誠実さであり、温かさです。それに比べると、他人を苦しめ、自身の利益の最大化を図る者たちは、人間であるというより獣であろうと感じました。これは小説世界に留まらず現実世界においても同じことです。他者を蹴落として利益を得ようとする者は全て獣であり、獣に振り回される人間たちのある者は心のあたたかさを失い畜生となり、あるものは、誠実であろうとするために苦難にまみれる。『大地の子』は多大な労力を費やして書かれたことが伝わってくる、文字通りの力強さを持った作品でした。
今年は安部公房の『けものたちは故郷をめざす』に始まり、清岡卓行『アカシヤの大連』などを読みましたが、この『大地の子』も含めた読書体験で「故郷」について考えさせられる一年になりました。〇〇人であること、故郷があること、言葉と自分のナショナリティーのつながりなど、私たちが自明だと考えていること(例えば日本人は日本語を話し、日本という故郷を持っていることなど)は、結局のところ幻想にすぎないのではないでしょうか。私は、自分の中で無意識のうちに凝り固まってしまっていた「故郷」という概念が、ぐらぐらと突き崩されていく音を聞き、喜ばしく感じています。