読書日記

読書日記(ロシア文学を読む日々)7月6日―7月10日

7月6日

 『小悪魔』ワルワーラが黒い表紙の本を読んでいたというだけで、ペレドーノフはそれを黒魔術の本だと思い込む。しかも、自分を殺すための黒魔術だと考えるのであるから、もう彼は病気である。ちなみに、その本はただの料理本である。

 

7月7日

 後藤明生『四十歳のオブローモフ』団地内に生えるニセアカシヤについて。主人公の住む団地内にニセアカシヤが生えていて、それが主人公の娘の活発なエネルギーと対象をなしている。ニセアカシヤはなんとも、発育不良という様子。団地という異質な人工空間における自然物の哀しさのようなものも表しているのか。

 

7月8日

 『小悪魔』ワルワーラ経由でペレドーノフに美少年サーシャが男装した娘であるという噂が入ってくる。

 

7月9日

 岩波書店の『世界』が届いた。毎月魅力的な特集を組んでいるので今月も楽しみ。

 こういった雑誌で今生きている世界とコミットする努力をしていないと、自分が自分だけの世界の中で完結してしまうような気がする。そして、そういった完結型の人が増えると、この世界はある日突然悪夢のようなものに変貌してしまうのだろう。

 

7月10日

 『カラマーゾフの兄弟』スメルジャコフがイワンに語る。フョードルのまわりから人がいなくなる日が来る。その日にドミートリ―が父フョードルを殺しにくるのではないかと。示し合わせたように全ての物事がフョードルの周りから人を遠ざけるような物事が重なっている。それを全て把握しているスメルジャコフは、もしフョードルが殺されるならば、ダントツに怪しい人物である。

PAGE TOP