読書日記(ロシア文学を読む日々)6月11日―15日
6月11日
ドストエフスキーは、小説に異常な人物たちを集める仕組みとして、ろくでもない父親、腹違いの兄弟という設定を駆使し、ドミートリ―、イワン、アレクセイという3人の全く性格の異なる、そして、それぞれが強烈な個性を持った人物たちを1つ家の元に集めている。
ロシア文学において、一風変わった価値観を持つ人物を設定する方法として、「親元を離れさせる」、さらにそのうえで「外国にいかせる」というのがあるような気がする。彼らは、ある集団の価値観をかき乱す役割を与えられる。それによって物語が動きを帯びていく。
6月12日
カラマーゾフの兄弟は描写が少なく、物語は殆ど会話で説明されながら進んでいく。ドストエフスキーの小説によくあることだが、登場人物がよくしゃべることしゃべること。
人間関係のごたごたまで、ご丁寧に逐一説明してくれるのである。しかも、その説明の熱の入りよう。普通に書いたら、セリフで説明しすぎでクサいところも、説明する人物が異様なまでに興奮しているので、あまり気にならないのである。
6月13日
電車に乗ったので、『カラマーゾフの兄弟』を読み進める。電車の中で、読書が進むという人がいるが、自分は状況によりけりである。
6月14日
父フョードルと長兄ドミートリ―がグルーシェニカという女性をとりあっているということが明らかになる。
ドストエフスキーの小説は女性関係のもつれが多いような気がするのだが、気のせいだろうか。
6月15日
フョードルの雇う料理人スメルジャコフが喋りだすという事件が起きる。このスメルジャコフという人物、極度の他人嫌いで、無口な人物である。
そして、その暗い性格を示す例として、幼い時に子猫を縛り首にして、その葬式の真似事を行っていたという話が語られる。