近況報告

私はサンタサポーター~ブックサンタ~

 私事ですが、ブックサンタサポーターになりました。

 ブックサンタサポーターとは、ブックサンタという活動へ継続的に支援していく人のことだ。具体的にいうと、毎月に1000円の寄付である。

 では、ブックサンタとは何かと言うと、全国の書店で購入した本が「貧困家庭や被災地の子供たちのクリスマスプレゼント」になる活動である。

 私は本が好きである。特に小説が好きだ。小説は私の世界を広げてくれたし、私を天邪鬼にしてくれた。天邪鬼になることはあまりいいこととは言えないかもしれないが、人間少しくらい捻くれていた方が面白味があるというものである。もとよりこれは私の勝手な考えであるが。

 何が言いたいかというと、私は昔から本が好きで、今も読書が好きだということである。しかし、私が本好きになるためには、本を読める環境が必要不可欠だったという事実を忘れてはならない。もしも絵本が一冊もない家庭に私が育っていたら、本好きになることはなかっただろう。人にはそれぞれ違った可能性が存在するわけであるが、その可能性にアクセスできる環境がなければ、それは発見されずに終わっていくのである。読書好きになる可能性を秘めた子供がいたとしても、その子が本にアクセスできる環境にいなかったとしたならば、その子の「読書好きになるという可能性」は埋もれ、失われていくのである。

 これは読書に限った話ではない。人にはそれぞれ違った性向があり、才能の方向があるのだ。スポーツ、美術、音楽、ゲーム…。人の可能性は外から見てもわからないものである。だからこそ、色々な物事にアクセスできる環境が人には必要不可欠なのだと私は考える。

 さて、可能性の発見は早ければ早い方がいいものだ。「私は〇〇が得意」という意識は、アイデンティティの一部にもなり得るし、自己肯定の理由にもなる。

 しかし、様々な要因により、その可能性へのアクセスが大幅に制限されている子供たちがいるのだ。「ブックサンタ」という活動は、そういった子供たちに読書という分野へのアクセスを届ける活動なのである。

 さて、ひょんなことから活動を知った私は、活動に参加している本屋へ足を運んだのである。ブックサンタに参加するにあたって、必要なのは①本屋で届けたい本を買い、②レジで申し込む、という2つのプロセスである。しかし、私は①で躓いてしまった。

 他人のために本を選ぶという行為はなかなか難しいものだ。私は「絶対に物語を選ぶ」と心に決めていたのであるが、ではどの物語を選ぶのかということになってくる。

 サイトには「絵本の寄付が多いので、中高生向けが不足することが多い」ということが書かれていたため、私は対象を中高生と決めた。だが、そもそも、心がねじ曲がっている私がオススメする本は聖夜のプレゼントに相応しいのかという疑問が出てきてしまったので、無難な感じの本を選ぼうと『星の王子さま』を手に取ってみたのだ。しかし、私がこの本を選ぶ「内発性」はあるのだろうか。だいたい私はサン・テグジュペリの作品なら『人間の土地』の方が好きなのである。じゃぁ、『人間の土地』をプレゼントに選ぼうか。いや、それならサン・テグジュペリの作品で縛る必要はないのでは?

 ごちゃごちゃと考えている内に、よくわからなくなってしまったので、私は何も購入せずに本屋から撤退したのである。なんてこった。いや、これは思っていたよりも難しいぞ。

 しかし「難しかったのでやめました」では話にならないのだ。私はサンタになると決めたのである。「ブックサンタ」という活動に賛同しますという意思を行動で示さなければならぬ。行為に結びつかない思想に何の意味やある!

 そんな思いで再度サイトを見ていた私。「継続サポーター」を募集しているという記事を見つけたのだった。継続サポーターは、活動の継続資金を月々の寄付で支援するものである。月1,000円の「ブックサンタサポーター」と月3,000円の「ライブラリーサポーター」から選ぶことが可能である。

 というわけで、私はサンタになる前にサンタのサポーターになる道を選んだのであった。プレゼントする本に関しては時間をかけて考え、結論が出てから購入しても遅くはあるまい。いつか、サポーターからサポーター兼サンタになる日が来るであろう。

ブックサンタ2021

追記

缶バッチとシールをもらいましたっ!

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